2011年9月25日日曜日

鶏卵を徹底解剖!!!

鶏卵(けいらん)は、ニワトリの卵である。


Ⅰ 栄養と働き

・鶏卵(けいらん)は世界中の人々が、毎日のように口にしている極めてポピュラーな食品です。日本は世界的にみても鶏卵の利用がさかんな国で、その生産量、消費量ともにトップクラス。1人あたり、ほぼ1日1個ずつを食べている計算になります。
・生産、供給が安定している鶏卵は、他の生鮮食品にくらべて比較的安価なうえ、価格の変動も少ないことから、物価の優等生ともいわれます。

元気な鶏から採れる鶏卵


1 たんぱく質の栄養的な価値は、トップクラス

(1) 栄養成分としての働き

・たんぱく質を漢字で書くと「蛋白質」となりますが、これは「たまごの白身」という意味です。このことが示すように、鶏卵は8種類の必須アミノ酸をすべて含んだ、栄養面からみて理想的なたんぱく質食品。たんぱく質の栄養的な価値を示すアミノ酸スコア満点の100を示します。
・なかでも注目したいのは、メチオニンの含有量が多い点。
・メチオニンは肝臓の機能を活性化する働きをもつ必須アミノ酸ですが、ダイズや穀類にはあまり含まれていないため、鶏卵は絶好の供給源になります。
・このメチオニンをはじめとした良質のたんぱく質の働きにより、肝機能障害の改善に役立つほか、冷え症、虚弱体質、疲労倦怠感(ひろうけんたいかん)、病後の体力の低下などにも効果を発揮します。酒の肴(さかな)にすれば、悪酔いや二日酔いを防ぐのにも有効です。

新鮮な鶏卵


(2) 各種ビタミン、ミネラルも豊富に含む

 また、鶏卵にはひなが誕生するまでに必要となる栄養素が、すべて含まれており、ビタミン、ミネラル類も豊富です。ビタミン類ではビタミンAやビタミンD、ミネラル類では鉄、カルシウム、リンを多く含有。それらの相乗効果で、かぜ、気管支炎、肌荒れ、貧血、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、情緒不安定などを改善するのに効果を発揮します。
 ただ、こうした豊富な栄養を含む反面、鶏卵がコレステロールの多い食品であることは、ご存じのとおり。実際、鶏卵1個には250mgを超えるコレステロールが含まれており、これは一般的に食卓にのぼる食品としては、飛び抜けて高い数字です。
 とはいえ、一度に消化吸収されるコレステロールの量には限度があることに加え、鶏卵には、コレステロールを低下させる作用があるレシチンという成分が含まれています。
 そのため、あまり極端にコレステロール値に神経質になって、鶏卵を敬遠する必要はないのです。
 高脂血症(こうしけっしょう)や動脈硬化などの持病のため、医師から指示を受けているような人でなければ、1週間に2~3個くらいは食べても差し支えありません。

(3) 栄養強化卵をじょうずに利用しよう

 ところで、最近では栄養強化卵が多く出回っています。ヨード卵は、鶏にヨードの豊富な、粉末の海藻などを食べさせてつくった鶏卵。その名のとおり、ミネラルの一種であるヨードを通常の鶏卵の約20倍も含んでいます。ヨードは成長を促進して、新陳代謝を活発化する働きをになっており、心臓病にも効果があるといわれます。ほかにも、ビタミンB群やビタミンE、DHAなどを強化したたまごも販売されています。これらの栄養強化卵は、強化された栄養素の効果を知って、じょうずに健康に役立てたいものです。

Ⅱ 調理のポイント

(1) 表面がザラザラしていても新鮮さの目安にはならない・・・

 購入する場合のポイントとして、昔から殻(から)の表面がザラザラしたものが新しいといわれますが、これは輸送中に鶏卵どうしがこすれあうことの多かった時代のことです。
 現在の鶏卵は、パック入りのものが多くてこすれあったりしないため、殻の表面では、よく見分けがつきません。
 パック入りのものは、回転のよい店で出荷年月日を確認して買うのがいちばん。ほかに、光に透かしてみたとき明るいこと、振ってみても音のしないこと、割ったときに黄身やそのまわりの白身が盛り上がっていること、なども新鮮さの目安です。
 鶏卵には、侵入してきた細菌を殺菌するリゾチウムという酵素が含まれているので、比較的鮮度が落ちにくく、室温で産卵日から3~4日、冷蔵庫なら3週間くらい保存できます。
 ただ、流通段階で要する日数などを考慮して、冷蔵でも購入後10日以内に使い切るのがいいでしょう。
 保存の際に注意すべき点は、細菌を防ぐための卵核膜(らんかくまく)が殻の中で安定するよう、尖ったほうを下にして冷蔵庫に入れておくこと。においの強いものをそばに置かないこと。それから、殻の表面を洗うと、中身を保護しているクチクラ層がはがれてしまうので、汚れはふきんや紙で拭きとるだけにしておきます。

(2) 新鮮なたまごの見分け方

□ 卵黄の盛り上がりで見分ける
 新鮮なたまごの中身は卵白の濃い部分の層が厚く、卵白の薄い部分との境目が明確です。上にのった卵黄も半球状で盛り上がりが大きくなります。古いたまごは全体に偏平となり、卵白の濃い部分が少なくなります。

新鮮な卵


□ たまごの浮き沈みで見分ける
 濃度15%の食塩水にたまごを入れてみたときの状態が、産卵直後のたまごは、横になって底に沈みますが、一般に市販されているレベルの新鮮なたまごは、沈みます。1か月以上経った古いたまごは上に浮きます。

(3) 鶏卵は白身が70度以上、黄身は65度以上でかたまる

 料理の際に気をつけたいのは、火のとおし加減。加熱しすぎると、スが入ったりかたくなったりして、本来の持ち味が失われてしまいます。
 ゆでたまごをじょうずにつくるには、黄身も白身も半熟にする場合、70~75度の湯で約15分、黄身だけやわらかい半熟たまごの場合は100度の湯で約5分、かたゆでたまごの場合は100度の湯で12~13分ゆでるのが目安です。
 また、鶏卵には白身が70度以上、黄身は65度以上でかたまるという性質があります。これを利用して、65度程度の湯に30分間つけてつくるのが、黄身だけかたまって白身は半熟という、いわゆる温泉たまご。
 そして、消化のための時間が短いのは、半熟たまごがいちばんで、以下、生たまご、かたゆでたまごの順になります。
 なお、さまざまな栄養素を含む鶏卵ですが、ビタミンCと食物繊維はまったく含まれていません。食べるときには、野菜類などといっしょにとりましょう。

ラーメンには半熟卵


最後に・・・

私の知り合いの卵農家さん

   たむらのタマゴ

   小林ゴールドエッグ

   松本養鶏

2011年9月1日木曜日

今年は「完熟すだち」にチャレンジ!!!

やっぱりすだちは黄色くなったらどうなるんだろう? 「うすきいろのすだち」

四国は柑橘が沢山採れる地であるわけだが、徳島といえばすだちの大産地である。

すだちと言えば秋刀魚。目黒で開催される目黒さんま祭りは秋の風物詩である。

最近はすだちとかぼすとゆずの区別が付かない人が多いらしいのだが、それぞれ全く個性の違う柑橘なので注意。

これからの時期のすだちは強い香りを保っており、数滴料理に垂らすだけでその存在感を主張するのである。

皮の濃緑色とコントラストを成す輝かんばかりの白色の果肉には、みっしりと果汁が湛えられている。

果実はパンパンに張って、意外にズシッとくるので驚いてしまう。

さてこの緑色のすだち、実はまだ未熟果というか、若い段階でもいでいるすだちだ。

すだちは緑色の果実と思っているひとがけっこう多いのだが、これはまだ若いから。

樹に生ったまま置いておくと美しい黄色になるのだ。枝豆が実は大豆の未熟果で、そのまま収穫せずにおくと大豆になるのと同じである。

でもすだちの完熟果については、産地の外では意外に知られていない。

完熟したすだちは、緑色のすだちの強い香りは押さえられるものの、その分果汁の深みとまろやかさが増し、様々な料理に使えるようになる。

完熟すだちになるまえの緑色のすだちは、とにかく香りを楽しめるので「香りすだち」という。とはいっても、魚の塩焼きにかけたりする以外に何を楽しめばいいのかと思う人もいるだろう。地元では、すだちの果汁が一升瓶で安く売られていたりするので、それを使ったお寿司などが一般家庭でも作られているのだが、さすがに首都圏ではそれは高くついてしまう。

そこで最も簡単なすだちの楽しみ方を紹介しよう。これはぜったいに誰の家でもできる!

それは、、、

味噌汁などの椀物ににすだちを絞り入れるのである!


まあだまされたと思ってやってみて欲しい。

味噌汁のコクに華やかな香りと酸味が加わり、全く違う世界観が現出されるのである!これはもうやみつきになるはずだ。徳島のすだちの産地ではどこでもやっていることなのである。

けれどもこうした柑橘であれば、醸造していないので味の組成がもう少し単純化されていて、料理の世界観を打ち壊すことがない。しかも料理の味を引き立てるばかりである。レモンのような破壊的酸味ではないので、素材の味によりそうのである。

香りすだちが楽しめるのは今の時期が最高だ。秋刀魚を買うなら、その手にすだちも買い求めよう。

そして数個はぜひ味噌汁に絞り入れて欲しい。使い方が拡がること間違い無しである。

「酸」は重要な味の一要素なのである。

この時期のすだちは、実に清々しい濃い緑色のすだちだった。実に綺麗な、そうねぇ17歳くらいのまだ少し青い(実際に青いけど)少女といった風情の果実だ・・・



この、濃い緑色がすだちの完全版の色だと思っている人も多いだろう。しかし、、、実は違うのだ!
柑橘類は、未成熟の段階では全て緑色である。

これが熟してくるとオレンジ色になったり黄色になったりする。ということは、、、そう、すだちも本当は黄色い果実なんである。

その黄色く完熟したすだちがコレである。




どうだろう?これが完全版というか、本当に熟し切ったすだちの色なのだ。徳島県の産地の人たちはもちろんこれもよく見かけているだろうが、関東などでこの話をしたり写真を見せたりすると、例外なくみな驚く。まあそうだよな、すだちといえば市場に出回っているのはすべて濃緑色のものだからね。

これはまあ流通上の政策というかそういうものなのである。

濃緑の、未成熟ゆえに酸味と香りが強く、秋刀魚などの香りづけによいというイメージで売り込むためのものだといえる。

しかし、このすだちという果実、実は完熟してからの方が数段美味しくなる。

これは誤解をしてはいけないのだが、濃緑色の通常出回っているすだちが美味しくないわけではない。

ただそれは、味よりも香り・酸味を主張するものとして売られているのである。

対して樹上で黄色くなったすだちは、皮に入っていた香り成分が果汁に溶け込みまろやかな酸味になり、そして樹の養分を吸い込み、実に深い旨味が生成される。おそらく誰もが味わうとビックリするくらいの濃厚な旨味成分が存在するのである。

しかしながら、この黄色いすだち、実はほとんど出荷されていない。だって、周りでみかけないでしょ?

そう、流通政策上、販売ができるのは夏からハウスもの、貯蔵ものなど出回る緑色のすだちだけだったのだ。

売りにくいモノは売らないという市場の特性上、すだちのイメージとして強く印象付いている濃緑の玉しか売れないというのだ。

しかし、徳島県人は知っている。本当は黄色いすだちの方が旨いんだけどなぁということを。

この黄色のすだちの本格的な販促にチャレンジしてみては如何だろうか。

私もこれを応援したい。だってマジで旨いんだもん!

輸入レモンのように酸味だけが強い果実だとこうはいかない。豊かな旨味を含む完熟すだちだからできる!!!

五穀豊穣

秋は、収穫の季節です。

日本では、古くから五穀の収穫を祝う風習がありました。

その年の収穫物は国家としてもそれからの一年を養う大切な蓄えとなることから、大事な行事として飛鳥時代の皇極天皇の御代に始められたと伝えられているそうです。











これを、「五穀豊穣」といい、すべての穀物が豊かに実ることであります。

かつて日本はコメの生産量が足りず、多くの農山村ではコメは憧れのご馳走でした。

配給制度となって初めてコメ食ができたという例もあったそうです。今から70年足らず前の話です。



日本人にとって五穀豊穣はとても大切なことなのです。

食生活は変わって、雑穀の価値が変わりました。

雑穀とは「①米、麦以外の穀類、②豆・蕎麦・胡麻などの特称」(広辞苑)で、粟、稗、あわひえ黍等々。

現代人に不足しがちなミネラルや食物繊維などの豊富さから見直されだしています。

雑穀は種子です。発芽に必要な栄養がギッシリ詰まった生命の源です。癖がなくどんな食材とも好相性ですが、まずは同類のコメと一緒に炊いてみては。白米の美味しさとは別物の淡い甘さが味わえます。

大人こそ食育が必要との声も聞かれる昨今、科学的な味覚を離れ、生命エネルギーを感じる雑穀生活を送ってみてはいかがでしょう。

日本食こそ「氣」の源であると思います!