いのちの食べかた (よりみちパン!セ)
森 達也
理論社
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「いのちの食べ方」 森 達也を読んだ。
子ども向けの「よりみちバン!セ シリーズ」だ。
ちょっと読んでみた、という感じだが、「A」などのドキュメンタリーで話題の森達也さんが、「食べる」ということから、肉はどこからくるか、食肉の屠殺場のこと、そして屠殺にかかわる被差別部落問題にいたるまでを、小学生に説明するように、丁寧に分かりやすく説明している。
牛の屠殺のシーンは、本当に血のにおいがしてくるようだ。そして部落問題、差別の問題、マスコミの問題についても、本質を逃すことなく、極限まで簡単に、分かりやすく、子どもに納得がいくように書かれている。
これは、考えてみるととんでもなく大変なのだが、やっぱり森さんは「知らないことが問題だ」という考え方で、一生懸命わかるように説明している。
普段何気なくスーパーなどで売っている牛肉や豚肉がどのようにして解体され、ラッピングされた状態になっているのかを我々はあまり知らない。
だから生命を殺して得ている食料を「生命の死」から離れたところのものに感じている。
それでは生命のもつナマナマしさを感じることはできず、ひいてはその大切さも疎かになりかねない。
本書ではじゃあまずはそれを知ることからはじめようという本。
そして知らないことの恐ろしさもまた教えてくれる。
知らないことで過ちの連鎖が今も続いている事例など、とても考えさせられる。
中学生ぐらいから読める内容で、文章も読みやすい。でも書いてあることはとても重要で重大なこと。
大人が読んでもとても考えさせられた。
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