2010年9月14日火曜日

体のサビは・・・

体のサビは、金属のサビと同じ「酸化」が原因












「体のサビ」という言葉は、何となくわかるようで、本当のことはよくわからないというのが正直なところでは?

ナグモクリニック総院長の南雲吉則先生によると、体がサビるというのは、金属が赤黒くなってボロボロ崩れる「サビ」と同じようなもの。金属のサビは、理科の時間に習ったように「水」と「酸素」によって金属の表面が化学変化(酸化)を起こした状態。人間のサビもまったく同じで、「水」と「酸素」にさらに「塩分」などが加わって酸化し、体内をボロボロ状態にする。塩分の働きは、サビを進めること。海辺の金属がサビやすいことをイメージすると理解しやすいだろう。





ちなみによく耳にする活性酸素とは、強い酸化作用(体をサビつかせやすい性質)を持った酸素のこと。サビの原因のひとつになる。



サビやすいのは「水」と「酸素」が豊富な血管


では具体的に体のどこがどうサビるのか。
サビがちな場所はいくつかあるが、もっともサビやすいのは「水」と「酸素」が豊富にある血管だ。血管の中にはさらに喫煙や食生活、環境汚染などによる化学物質が多く存在し、これらが先の塩と同じような働きをして、サビが加速する。

血管の内側の壁(内皮)に汚れがついてサビが起こると、鉄のサビと同じように血管の内側がボコボコした状態になる。ボコボコした部分には汚れがつきやすく溜まりやすいため、さらなるサビを引き起こすという悪循環が生まれる。悪化すると血管が狭くなって血流が悪くなるため、体にあらゆる不調を引き起こすのだ。


食事、睡眠、喫煙...。体のサビは生活習慣で進む

・ 過食 ... 食べすぎ、塩分・脂肪分・糖分の摂りすぎ。
・ 睡眠の乱れ... 睡眠不足や睡眠の質の悪さ。
・ 過度な運動... 運動のしすぎもサビの原因。
・ 喫煙 ... サビを進めるほか、ガンの発症率も上昇。




サビやすい暮らしをしていると、体には様々な不調やトラブルが起こりやすくなる。

肥満
サビやすい生活習慣は、肥満の原因にも。

体臭
体臭の原因はサビやすい食生活や生活習慣から生まれていることも多い。

肌ダメージ
サビの原因のひとつでもある喫煙は、肌にダイレクトにダメージを起こす。キメが粗くなり、小じわ、くまなどが現れる。またサビにより肥満になると毛穴が開き、吹き出物やテカリが出やすくなる。睡眠の乱れによっても肌は不調をきたす。サビやすい暮らしは肌にとっていいことがまったくない。

動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞
サビた血管は内側が狭くなるのだから、動脈硬化が起こりやすくなるのは当然。さらに、はげ落ちたサビが血管を詰まらせれば、心筋梗塞や脳梗塞が起こる。

ガン、糖尿病
ガンや糖尿病は、体をいじめすぎたり糖分を摂りすぎたりといったことに対して、体が防衛反応として起こす病気。つまりサビた体の結果といえる。

などがあるが、これらは一例にすぎない。サビは体中にあらゆる不調を起こす。
また、サビつきやすい生活習慣そのものがあらゆる不調の根本原因となっているのだ。


塩・脂・糖は、本当に「余分3兄弟」

塩分、脂肪分、糖分はいずれも体のサビを招く。まず塩分は先に説明したように、サビを加速する働きがあるので、できるだけ控えめに。人体に必要な塩分量は1日当たり1.5gだが、日本人は平均で1日に15gという必要量の10倍の塩分を摂っている。かなり抑えて問題ない。

脂肪は肉からではなく、青魚やなたね油から摂るとよい。常温で固まる脂肪(たとえばラードのような)は、血管のなかでも固まるということ。ドロドロ血を招き、血管のサビにつながる。

糖の摂りすぎもサビのもと。糖分は脂肪に変わりやすいのだ。そのため、スイーツはあまり好ましくない。甘いものが食べたいときは、丸ごとの果物をよく洗って食べるのがベスト。







新習慣 -よく噛むだけで、サビのモトを撃退-
体のサビと深く関わる活性酸素。実はこの活性酸素を抑える力は本来私たちの体に備わっている。その力とは、ずばり唾液。たとえば活性酸素の発生源のひとつである食品添加物は、口にしないほうが難しい時代だ。けれど、よく噛んで唾液を多く分泌することで、リスクはかなり減少するというデータもある。いつもより多く噛むことを意識してみては。

参考文献:『噛めば体が強くなる』西岡一著・草思社

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